【連載】「困った」を解決する!心電図の読み方のコツQ&A

12誘導心電図を使うタイミングを知ろう

執筆 田中喜美夫

田中循環器内科クリニック 院長

Q.12誘導心電図によるモニタリングが必要になるのはどのようなときですか?

A.患者さんの状態が悪化したとき、あるいは呼吸困難や胸痛など心疾患を疑わせる症状を訴えたときなどです。心電図モニターでは判断のつかない場合は12誘導心電図で記録を行います。

 患者さんの変化や訴えが、心疾患によるものか、そのほかの疾患によるものか判断がつかない場合があります。緊急と判断されるときは、その対応を行うことはもちろんですが、可能なら12誘導心電図を記録して、以前のものと比較すると診断の精度が高まり、むしろ迅速な対応ができます。
 
 特に急性冠症候群では、ST波の変化を12誘導心電図でとらえ、緊急の治療を行うことが必要です。基本的なバイタルサインに加えて、医師の対応までに12誘導心電図を記録しましょう。
 
 また、急性冠症候群では、どの誘導のST-T部分が変化したかが重要となり、12誘導モニターを要する場合もあります。
 
 加えて、最近は期外収縮や心室頻拍(VT)に対しカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)が行われるようになり、その発生源を明らかにするために、12誘導モニターや12誘導ホルター心電図が必要な場合があります。


この記事はナース専科2017年6月号より転載しています。

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