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【書籍紹介】「燃えつきない自分」をつくる3つの発想

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看護師ほど陥りやすい「共感力」のワナ

 ストレスフルな社会に生きる現代人。とりわけ看護師をはじめとする医療職や対人の職業は過剰な共感を自分に課しやすい傾向があり、慢性的な疲労感や心当たりのない体調不良といった変調をきたす「共感疲労」という現象に陥りやすいことが指摘されています。
 
 本書は、看護師の職務上の必要なスキルとされてきた「傾聴・共感」が引き起こす共感疲労という現象を紐解き、「燃えつき症候群(バーンアウト)」の予防に迫ろうとしたものです。精神科医、心理療法家、僧侶がそれぞれの専門家の視点から、ストレス要因を遠ざける「慈悲喜捨」「健全思考」「レジリエンス」という3つの発想を提案しています。

「共感する看護」から「慈悲のある看護」へ

 まずpart1では、医療職の共感疲労について詳しく解説され、傾聴と共感がもたらした課題や、「共感」と「慈悲」の違いについて触れながら、共感から一歩進んだ「慈悲のある看護」への転換を促しています。仏教徒がめざす4つの心の状態(慈・悲・喜・捨)を四無量心といい、これは慈悲そのものと解釈されることもあります。燃えつきや共感疲労の予防には、特に「捨」の視点を取り入れることを勧めています。慈悲の考え方を身につけるための具体的な方法も掲載され、慈悲の極意に触れることができます。

「ねばならない思考」からの転換、自分をもてなす「健全思考」

 次にpart2では、看護師が臨床で抱きがちな「ねばならない思考」の転換には、自身に思いやりや優しさを向け、いたわる姿勢を基本とする「健全思考」を勧めています。喜びや幸せな気持ちを経験することは、前向きさや自分らしさを引き出すことにつながり、ケアをされる患者さんにもよい影響をもたらします。時間や場所を選ばず、手軽に実践できる「ビリーフワーク」の取り組み方も紹介されており、感情のストレス度チェックにも役立ちます。

仏教に学ぶ「苦悩」の対処法と幸せ感を生み出すヒント

 最後にpart3では、僧侶である著者が仏教の教えになぞらえ、本来人間に備わっている「レジリエンス(防衛や抵抗力)」を高め、幸せ感をつかむヒントを解説しています。精神療法の分野でも注目されている瞑想の理論に加え、五感を用いて身体をほぐす基本のレッスン、目標とする心の状態に導く4つの瞑想メソッドといった、具体的な習得方法も伝授しています。
 
 日頃の自分の状態を見つめ直すきっかけにもなり、セルフケアの実践に欠かせない多様な視点がちりばめられている1冊。ストレスから抜け出し、こころの元気を取り戻すための発想を取り入れてみませんか。


『3つの習慣で私が変わる 「慈悲喜捨」「健全思考」「レジリエンス」』
著:保坂 隆・川畑のぶこ・大下大圓
定価:1,600円(税別)
判型:A5判
ページ数:176ページ

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