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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

血液媒介病原体曝露防止と曝露時の対応

解説 藤田昌久

日本医科大学付属病院 医療安全管理部 感染制御室 看護師長 感染管理認定看護師

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※ここでは血液媒介病原体の曝露防止策と曝露してしまったときの対応を解説します。実際の対応に際しては、各医療施設で示されている感染対策に従いましょう。

個人防護具の適切な活用

 注射針の刺入・抜針、採血時には必ず手袋を使用します。手指に傷がある場合、手袋の着用によって皮膚曝露を防ぐことができます。

 また、針刺しが起きたとしても、鋭利物の外部表面にある血液・体液量をある程度減らし、感染リスクを減少させる効果があります。

 マスクやエプロン、フェイスシールドやゴーグルなどの使用は、血液や体液の飛散による曝露を防ぐのに有効です。

鋭利器材の取り扱い

 鋭利器材を取り扱うときは、以下の点に注意します。

  • 鋭利器材の手渡しをしない
  • 原則的に、注射針のリキャップをしない
  • 鋭利器材の廃棄容器は使用者のそばに置き、鋭利器材の使用者が廃棄する (病室等で鋭利器材を使用する場合は、携帯用の廃棄容器を持参する)

【リキャップが必要な場合】
 やむを得ずリキャップをせざるを得ない場合は、すくい上げ法、もしくはリキャップ用のキャップ立て(リキャップデバイス)を使用します。リキャップ後は側面から針が突き出ていないか、よく確認しましょう。

・すくい上げ法
 キャップを安全な場所に置き、片手ですくい上げてからリキャップする。
リキャップ_すくい上げ法

・リキャップ用のキャップ立ての使用例
キャップ立てにキャップを入れて置き、リキャップする。
リキャップ立ての使用例

【鋭利器材を落とした場合】

  • 素手で拾わないようにする
  • 手袋を着用し、鋭利な部位から遠いところを持って拾うか、鉗子等を用いて拾う
  • 鋭利器材を持ち運ばずに、その場で廃棄容器に廃棄する

【廃棄容器】

  • 対貫通性の専用容器を使用する
  • 廃棄容器は、廃棄した針がはみ出すことがないように、針の量が80%程度の容量に達したら廃棄する。

安全器材の導入

 針刺し防止機構器材(安全器材)の導入は、針刺しの事象を減少する効果があります。

 しかしながら、安全装置を正しく作動させなかったことによる針刺し・切創事象も発生しており、使用者が安全器材を正しい方法で使用しなければ、その効果は期待できません。使用方法を理解したうえで、使用しましょう。

 また、採用・変更や初めて使用する場合に、正しい使用手順について教育する体制も必要です。

曝露時の対応

 もし血液媒介病原体に曝露してしまった場合、慌てずに創部を流水と石けんで数分以上洗浄します。粘膜曝露の場合にも同じく洗浄を行います。

 そして、感染対策担当者(部門)に速やかに報告します。適切な部署に報告することにより、リスクアセスメントが行われ、具体的な処置が決定、実施されます。

 なお、B型肝炎のようにワクチンの接種により予防できる感染症は、あらかじめワクチンを接種しておくことが重要です。

 基本的には、院内のマニュアルに沿って行動しましょう。

<対応例>
①創部を流水と石けんで数分以上洗浄する(眼などの粘膜も同様)。
※病原体の消毒目的で消毒液は使用しない。また、血液の絞り出しや緊縛には科学的根拠はありません。
②感染対策担当者(部門)に報告(受傷形態、損傷の程度、曝露量・時間、対象器材、曝露物質、曝露源など)する。
③感染対策担当者などがリスクアセスメントを行い、具体的な処置を決定する。

表 血液曝露後の対応例
血液曝露後の対応例


【参考文献】
● CDC:Guideline for Isolation Precautions (2007).(2018年10月9日閲覧)http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/pdf/guidelines/Isolation2007.pdf
●藤田昌久, 編:ステップアップ院内感染防止ガイド.学研メディカル秀潤社, 2006.
●Mendelson MH, Lin-Chen BY, Solomon R, et.al.: Evaluation of a safety resheathable winged steel needle for prevention of percutaneous injuries associated with intravascular-access procedures among healthcare workers. Infect Control Hosp Epidemiol. 2003;24(2).
●藤田昌久:見直そう!感染管理.ナース専科28(7), 2008.
●国公立大学附属病院感染対策協議会編:病院感染対策ガイドライン改訂第2版, じほう, 2015.

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