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【連載】困った!を解決してステロイドの基本がわかる!

ステロイドの使用をやめるときはどうすればいいの!

解説 川合眞一

東邦大学名誉教授 医学部炎症・疼痛制御学講座教授

目次


解決の糸口はココ

●急激な中止による生理的な影響を理解しよう
●「減薬」の際の注意点を覚えておこう


長期間投与を中止する場合は「減薬」が必要です

 ステロイドの投与を突然中止すると、副腎不全をきたし、死に至ることがあります。ステロイド療法中の場合、副腎は外部からのステロイド補充によりホルモン分泌が抑制され、機能低下が長期間続くと萎縮が生じます。そのため、長期間投与後にいきなりステロイドを中止すると、萎縮した副腎機能の回復が追いつかず、副腎不全や全身倦怠感、脱力感などのステロイド離脱症候群が引き起こされることになります。

 特に、膠原病などの自己免疫疾患では、症状をしっかりと抑えるために数カ月単位での投与が行われます。こうした長期にわたるケースでは、副腎が萎縮していると考えられます。その副腎が回復してステロイドホルモンが正常に分泌されるようになるまでには、相当な期間が必要です。1960年代の検証ですが、ステロイドを大量投与して副腎萎縮になった患者さん、もしくはクッシング症候群で原因となった腺腫がある側の副腎を取り、反対側の副腎が萎縮していた患者さんが、回復するまでの期間を観察したところ、完全な回復には9 カ月を要したという結果が出ています。回復力には個人差があるので、安全域を考慮すると回復期間は1年程度と考えられます。このため、症状が治まったタイミングですぐに投与を中止するのではなく、徐々に薬を減らす「減薬」をしていくことになります。

「減薬」はどのように行うか知っておきましょう

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