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【連載】困った!を解決してステロイドの基本がわかる!

患者さんがステロイド使用に不安を訴えている!

解説 川合眞一

東邦大学名誉教授 医学部炎症・疼痛制御学講座教授

目次


解決の糸口はココ

●ステロイド療法が変化してきていることを知っておこう
●患者さんの不安がどこにあるのかを丁寧に聞いていこう


ステロイドの効果と使用法の変化を理解してもらいましょう

 ステロイドは、もともと体内にあるホルモンをベースにしているため、安全かつ非常に薬理効果の高い薬剤です。一方で、副作用が多い薬剤でもあります。かつてはステロイドに対するネガティブキャンペーンが活発であったこともあり、いまだにステロイドの使用に不安を感じている人は少なくないようです。それでも、抗炎症作用と免疫抑制作用を併せもつ薬剤はほかになく、適切に使用すれば、汎用性の高い、よく効く薬剤といえます。
 
 さらに、長い臨床経験のなかで、使用方法にさまざまな工夫がなされ、紆余曲折を経て、安全性も増しています。最近では免疫抑制薬との併用なども行われ、投与量の減量も可能になっていることを伝えましょう。

ステロイドの必要性を理解してもらい予防・対処法を説明します

 ステロイドへの不安を訴える患者さんに対応する前に、看護師自身が日ごろからステロイドへの理解を深めておくことが大切です。そのうえで、患者さんに丁寧な説明を行い、理解を求めていきましょう。ただし、ステロイドの使用については、医師によって考え方が異なることもあるので、まずは主治医に治療方針を確認することが重要です。
 
 説明としては、疾患治療に対するステロイドの有用性を話し、基礎疾患の治療には欠かせないものであることをきちんと伝えます。そのうえで、副作用については、しっかりとした対応策がとられることを説明します。
 
 例えば、骨粗鬆症であれば、予防的な薬剤療法が行われます。さらに、食欲過多には食事コントロールを、感染症にはうがいや手洗いをなど、患者さん自身による予防行動も大切です。また、高血圧には降圧薬、高血糖には糖尿病治療薬といったように、出現した症状についての対処法があります。こうした説明を行うことは、患者さんの不安の解消に有効です。
 
 患者さんが「ステロイドの何に対し、どのような不安を抱いているのか」を明確にして、患者さんが納得できるまで説明することで、その不安を軽減していくことが重要になります。
 
参考文献
● 藤岡高弘,他編:服薬指導・看護に役立つ よくわかる治療薬ブック.照林社,2012,p.319-23.


この記事はナース専科2017年12月号より転載しています。

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