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【連載】いまさら聞けない 脳神経外科ドレナージのしくみと管理の基本

脳室ドレナージ|「部位別」ドレーン管理はここを見る!①

執筆 福永 篤志

公立福生病院脳神経外科 脳神経外科 医長/気象予報士

 圧設定やクランプ手技など、脳神経外科領域の開放式ドレナージには、特徴的な知識が求められます。ここでは、脳室ドレナージ、脳槽ドレナージ、スパイナルドレナージの管理の実際を解説します。


目次

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脳室ドレナージ

どのような治療で使うの?
●急性水頭症に対し、頭蓋内圧を下げて意識状態を回復させる。
●脳室内出血を伴う場合には、血腫を溶解して排出させる。
●脳腫瘍による閉塞性(非交通性)水頭症の場合には、ドレナージに続いて、腫瘍の摘出術を行う場合がある。

■ドレナージシステムの原理

 ドレナージシステムは、通常、高さを変えることによって設定圧を調節できるチャンバーのついた回路を使用します(図1)。フィルターを介して大気に触れるので開放式ではありますが、感染予防のため、大気に露出することのない閉鎖式にほぼ準ずるものとなっています。

脳室ドレナージシステム
 
 サイフォンの原理を利用して過剰な髄液を排除し、適切な頭蓋内圧にコントロールできます。通常、外耳孔をゼロ(0)点として、レーザーポインターを外耳孔に当てながら高さを調節します1)。レーザーポインターと目視では、圧設定に慣れた看護師による目視であればほとんど誤差はないという報告もありますが2)、レーザーポインターがあれば便利です。
 
 ゼロ点を設定した後は、ベッドの高さやベッドアップの角度は変更できません。不用意に変更することのないように、ベッドのリモコンに「設定変更不可!」と書いたテープを貼り付けるなどして警告する必要があります。

■ドレナージ圧の設定と管理

 ドレナージ圧を調整する際は、チャンバー内のチューブ断端(もしくは、すぐ上にある円盤リング)を設定したい圧の高さにセットし、チューブ断端から排液が滴下する様子を観察します。ちなみに、この円盤リングは、チューブがチャンバーの内壁に接触しないようにするためのものです3)。通常、各勤務交代時に、必ず2人で声出し、指差し、指なぞりで設定圧値を確認します4)

 排液は、チャンバーと排液バッグを連結するチューブをクランプしてチャンバー内に溜めていきます。チャンバー内は30mL程度の容量しかないので、チャンバーから溢れ出ないように、チャンバー内に溜まった排液は、適時その量を記録したらすぐ、クランプを外して排液バッグ内に流し落とさなければなりません。

■排液の観察

 性状と量、チューブ内の拍動の有無に注意します。性状は、脳室内出血がなければ、無色透明が原則です。量は、髄液の産生量が約20mL/hrなので、通常は20mL/hrを超えないようにします。10mL/hrくらいが目安です。チャンバー内の滴下が確認できれば問題はありませんが、すぐに確認できない場合には、チューブ内での液面の拍動の有無をチェックします(図2)。

拍動のチェック

■トラブルの発見と予防

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