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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

気道確保とは|頭部後屈顎先挙上法・下顎挙上法とエアウエイを用いる気道確保の手順と注意点

監修 讃井將満

自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部 部長

解説 富永経一郎

自治医科大学附属病院 救命救急センター 医師

目次

※「頭部後屈顎先挙上法」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。

気道確保とは?

 大気の通り道である気道(airway)の物理的な閉塞を解除する、もしくは予防する処置です。窒息を防ぎ、呼吸管理を行うために実施されます。

 気道閉塞の原因はさまざまですが、よくみられるのは意識障害による舌根沈下です。
 
 気道閉塞は生命にかかわる緊急事態であり、心肺蘇生においても第一に気道確保が優先されます。

●気道閉塞の原因例
・意識障害などによる舌根沈下
・過剰な気道分泌物
・嘔吐物や血液、胃内容物の逆流、異物
・気道の外傷・熱傷・炎症・浮腫・血腫
・咽頭痙攣、気管支痙攣
・気管切開・気管チューブの閉塞

気道確保の方法

 気道確保には、用手的気道確保と器具を用いる気道確保があります。用手気道確保には、頭部後屈顎先挙上法と下顎挙上法があります。

 器具を用いる気道確保には、口咽頭エアウエイ・鼻咽頭エアウエイ・声門上気道デバイスの使用、気管挿管、輪状甲状靭帯切開・穿刺、気管切開などの外科的気道確保があります。

 一般的に、まずは用手的気道確保が実施され、それが困難な場合には、器具を用いた気道確保が考慮されます。

 いずれにせよ、的確な気道確保を行うためには、気道の解剖生理を頭においておくことが大切です。

●気道確保の選択例
気道確保の選択例

図 気道・呼吸器
気道の解剖図

 気道は,鼻腔(または口腔)から咽頭、喉頭(声帯を含む)を経て気管・気管支、肺に至ります。声帯より口側を上気道、肺側を下気道といいます。


Column スニッフィングポジション(sniffing position)
 気管挿管操作をする際には、スニッフィングポジション(sniffing position)が重要となります(図)。スニッフィングポジションは、鼻をクンクン鳴らして匂いをかぐ(Sniffing)ように、頭部の下に7~9cm の高さの枕(スニッフィングポジション用の枕)を置き、下位頸椎を屈曲し、上位頸椎を伸展させ、下顎を挙上させた状態にします。

 この体位をとることにより、咽頭軸と喉頭軸が直線になるため、気道が見やすく咽頭展開がしやすくなります。

 JRC蘇生ガイドライン2015では、全身麻酔下の成人を対象とした研究1)でバッグバルブマスク換気時に頭の下に厚さ 7cmの枕をおいた場合、枕をおかなかった場合と比べて、換気1回換気量、動的肺コンプライアンス、気道抵抗が頭位によらずに良好であったことを示し、「換気時には頭の下に厚さ7㎝程度の枕を置くとよい」2)としています。そのため、最近では気道確保の際に、バッグバルブマスク換気、気管挿管などを考慮してスニッフィングポジションをとることもあります。

スニッフィングポジション


頭部後屈顎先挙上法

 頭部を後屈、さらに顎先(オトガイ部)を持ち上げて気道を確保する方法です。下顎の筋群が引き上げられることにより、舌根が前方上方に移動し気道が開通しやすくなります。

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