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【連載】COPDとは全く違う! 知ってる? 間質性肺炎の看護

間質性肺炎とは?|原因、分類、診断

執筆 加賀城 美智子

大垣市民病院 呼吸器内科 医長

監修 南雲 秀子

東京医療学院大学保健医療学部看護学科助教 看護師/米国呼吸療法士(RRT) /保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

 呼吸困難のある患者をケアするとき、いつも「どうしたら早く楽になるだろう」と考えますよね。特に間質性肺炎の患者は低酸素による症状が強いため、ほかの呼吸不全患者と同じようにケアしても、症状もSpO2もなかなかよくならず「何が違うのかなぁ」と悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

 実際、COPD(閉塞性肺疾患)と間質性肺炎(拘束性肺疾患)の病態は全く違うのですが、どちらも長期化し「慢性呼吸不全」と呼ばれるため混同されやすい疾患です。そのうえ、有病率で比較すると40歳以上で10万人あたり8,600人以上いると予測されているCOPD 1)と違い、人口10万人あたり10人2)強の患者数である間質性肺炎は稀な疾患なのです。
 
 今回の特集では、患者数が少ないながら症状のつらい間質性肺炎の病態、薬物療法、非薬物療法および、長期療養を見据えた看護について、COPDとの違いを考えながら学べるように企画しました。ボリュームたっぷりですが、明日からのケアに役立つ情報を求めて、ぜひ読み切ってください。


目次
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原因・分類

間質ってどこ?

 細菌性肺炎は「気管支に細菌が侵入して肺胞内に炎症細胞が集まってきた状態」のことをいいます。では、「間質性肺炎は?」というと「間質に炎症細胞が集まり、線維化を生じる状態」のことを指します。では、そもそも「間質」がどこのことなのかわかりますか? 間質性肺炎は非常に難解で、かつ難治性です。このやっかいな疾患を理解するために、まず「間質」をイメージすることから始めましょう。
 
 気管は、肺へと伸びる途中で分岐して気管支となり、肺の内部でさらに細かく分岐して最終的にブドウの房のような形の肺胞になります。その肺胞の表面を通じてガス交換が行われています。この肺胞同士が隣りあう壁の部分(正確には肺胞表面を覆う肺胞上皮を除く)を「間質」と呼びます(図1)。間質内には毛細血管が走行しており、肺胞の表面から間質を通じて血管内に酸素(O₂)が取り込まれ、血管内から肺胞内へ二酸化炭素(CO₂)が移動することによりガス交換が行われています。

肺胞・間質・肺胞毛細血管の構造と働き

 間質が線維化し厚みが増すことにより、肺胞から血管内へのO₂の移動が障害されます。特に、労作時に頻脈を生じると、O₂が血管内へたどり着く時間よりも血管内の血流速度が速くなり、O₂の取り込みが減少し、労作時低酸素血症を生じやすくなります。また、間質の線維化により、肺胞、ひいては肺全体が膨らみづらくなり、膨らんでもすぐ戻るカチカチの固い肺となります。

 筆者は患者にこの病気を説明するとき、正常な肺を普通のスポンジに、間質性肺炎をヘチマのスポンジに例えています。ちなみに、慢性呼吸器疾患のもう1つの代表格である慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は、肺胞構造が破壊されたスカスカの目の粗いスポンジに近いかもしれません。

間質性肺炎が起こる理由

 間質性肺炎は、薬剤(健康食品、サプリメントを含む)やリウマチなどの膠原病のほか、職業性の曝露(アスベストなど)、居住環境(鳥やカビなど)が原因となり、引き起こされることがあります。このようにさまざまな原因が可能性として考えられるため、探偵になった気分で詳細な問診をとる必要があります。そうして原因が特定された間質性肺炎は、それぞれ、薬剤性肺障害、膠原病肺、じん肺、過敏性肺炎などと呼ばれます。一方、原因が特定できない間質性肺炎は、間質性肺炎のうち6割程度とされ、特発性間質性肺炎と呼ばれます。

特発性間質性肺炎の分類

 欧米のガイドライン3)によると、特発性間質性肺炎は、進行速度や喫煙関連か否かという観点で、特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)、特発性非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitialpneumonia:NSIP)、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患(respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease:RB-ILD)、剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia:DIP)、特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia:COP)、急性間質性肺炎(acute interstitial pneumonia:AIP)の6つに分けられています。
 
 これらのうち、臨床現場で出合う最もメジャーなものは特発性肺線維症(IPF)なので、まずはこの病名だけ覚えてください。IPFは、ゆっくりと間質の線維化が進む病気です。これ以降の項目はIPFを想定して話を進めます。

見極め方と診断の流れ

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