【連載】COPDとは全く違う! 知ってる? 間質性肺炎の看護

間質性肺炎の薬物療法|急性増悪時、対症療法に用いる薬剤の種類と特徴

執筆 畔柳弥生

大阪赤十字病院 薬剤師

監修 南雲 秀子

東京医療学院大学保健医療学部看護学科助教 看護師/米国呼吸療法士(RRT) /保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

目次


急性増悪時に使用する治療薬

ステロイド

 エビデンスのある投与量や方法はなく、多くの場合、メチルプレドニゾロンステロイドパルス療法(mPSL 1,000mg/日の3日間連続点滴)を症状の安定化が得られるまで1回/週で繰り返します(1~4回)。また、ステロイドパルス療法の間は、プレドニゾロン(PSL)0.5~1mg/kg/日を継続します。
 
 安定化した後も、PSLは初期量で1カ月は継続し、その後2週間おきに5~10mgで減量していきます。減量中の悪化が多いため、20mg/日以下ではさらに少量で減量されます(1~2mg/2週間)。
 
 PSLの副作用は、前述したステロイドの副作用と基本的に同様ですが、ステロイドパルス療法後は、当日から不眠傾向になることがあります。

免疫抑制剤

 治療の手引きでも推奨されており、感染症がある程度否定された後、早期に免疫抑制剤の投与が検討されます。その際にはシクロホスファミド・パルス療法(IVCY)、シクロスポリンが選ばれます。
 
 IVCYでは副作用対策として、制吐剤、輸液負荷(ハイドレーション)、メスナ(ウロミテキサン®)などを使用することがあります。副作用として出血性膀胱炎があることから、予防のため、膀胱に尿を滞留させないよう頻回な排尿を心がけることが重要です。IVCYでの出血性膀胱炎は、経口投与とは異なり、多くは投与翌日から数日以内に、血尿を主体とした激しい膀胱炎様の症状で発症します。

その他の治療薬

【好中球エラスターゼ阻害薬】
 好中球エラスターゼは、好中球の活性化に伴い放出される蛋白分解酵素であり、肺組織障害や血管透過性亢進を引き起こします。

 シベレスタット(エラスポール®)は、この蛋白分解酵素を阻害し、急性肺障害の進行を抑制する可能性があり、IPFの急性増悪に対してPaO2/FiO2の改善効果が認められています。

【抗凝固薬】
 低分子ヘパリンの経静脈投与(75IU/kg/日、1~2週間)が、急性増悪症例に有効であったという報告があります。急性増悪では、肺に集積した好中球が血管内皮を障害して、凝固線溶系の異常が病態に関与しているといわれており、それに対して効果がある可能性があります。

対症療法に用いる主な薬剤

 最後に間質性肺炎の対症療法に用いる主な薬剤を一覧にまとめました(表)。ぜひ参考にしてください。
 
主な薬剤一覧(鎮咳薬、去痰薬)

表の続き
主な薬剤一覧(鎮咳薬、去痰薬)

イラスト/カミヤ マリコ


参考文献

●各薬剤の添付文書、インタビューフォーム、ホームページ
●川合眞一,編:その患者・その症例にいちばん適切な使い方がわかる ステロイド療法のエッセンス.月刊薬事7月増刊号58(10);2016.
●杉山幸比古,編 :特発性間質性肺炎の治療と管理.克誠堂出版,2013.
●厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「びまん性肺疾患に関する調査研究」班 特発性肺線維症の治療ガイドライン作成委員会編:特発性肺線維症の治療ガイドライン2017.南江堂,2017.
●日本医薬情報センター,編:重篤副作用疾患別対応マニュアル.日本医薬情報センター,2011.
●浦部晶夫,他編:今日の治療薬2018 解説と便覧.南江堂,2018.
●大日本住友製薬HP内:カル・グレ Ca拮抗薬とグレープフルーツの相互作用Q&A.(2018年4月26日閲覧)https://ds-pharma.jp/gakujutsu/contents/calgre/


この記事はナース専科2018年7月号より転載しています。

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