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【連載】COPDとは全く違う! 知ってる? 間質性肺炎の看護

間質性肺炎患者への在宅酸素療法(HOT)の援助

執筆 猪飼 やす子

聖路加国際大学大学院 看護学研究科博士後期課程 慢性疾患看護専門看護師

協力 竹川 幸恵

大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 慢性疾患看護専門看護師

監修 南雲 秀子

東京医療学院大学保健医療学部看護学科助教 看護師/米国呼吸療法士(RRT) /保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

目次

※「退院後の訪問(自宅での生活状況のアセスメント)」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。


自宅での生活におけるHOTの援助

 間質性肺炎のHOTは、労作時の低酸素血症の是正を目的に、まずは労作時にのみ導入されることが多く、その目標は、生活動作の維持や生活の質の向上です。しかし、「酸素はあなたに必要ですから吸いましょう」と説明を繰り返すだけでは、援助とはいえません。

HOTの受け止めを傾聴する

 自宅での生活にHOTを取り入れていくためには、HOTを導入する目的が、低酸素の是正や息苦しさなどの症状の緩和、そして、生活活動の維持であることを患者ならびに家族がどのように受け止めているのかを傾聴します。
 
 「家族に心配をかけたくない」「酸素吸入の姿をみせたくない」という理由で酸素をあまり吸わないようにする患者もいます。また、家族もHOTに対して否定的な感情やHOTの姿を受け入れられないなどの思いをもっていると考えられる場合には、アドヒアランスに影響を及ぼす可能性を考慮し、継続して援助します。
 
 患者やその家族は、話せる相手を選んで話をしてくれると考えられます。日頃から自己の思考や言動の傾向などを意図的に振り返り、自分が、患者やその家族にとって“話せる相手”であるのかどうかを考えることが大切です。また、患者は呼吸困難感を有するため、かかわり方によっては、相手へのストレスとなり、症状を増悪させる可能性もあります。だからこそ、リフレクションが特に重要になります。
 

HOTとの生活を共に創り出す

 続いて、患者に、HOTでは「どのような生活場面で、何リットルを吸うのか」についての理解を確認をします。生活動作である洗面、食事、排泄、歩行、入浴、外出、車の運転などを振り返りながら傾聴しましょう。そして、間質性肺炎は労作時の低酸素が問題となるため、Ⅱ型呼吸不全の有無を確認のうえ、患者の“酸素を吸いすぎることへの不安”に配慮しながらかかわります。
 
 また、労作時と安静時の酸素流量の切り替えが確実に実施できるように、在宅酸素濃縮器のリモコンの設置、同居家族による協力、そして自宅での動線などの調整を行います。HOTにより息切れの改善がみられない場合には、指示酸素流量または吸入酸素濃度が足りていないことなども考えられるため、受診するように説明をします。そして、実施した援助については、ケアマネジャーや訪問看護師、在宅酸素業者と情報を共有し、継続して援助を行います。
 
 間質性肺炎の患者を対象としたHOTの体験に関するオーストラリアの研究では、“疾患の末期段階の象徴”と受け止める傾向が報告されています1)。HOT導入という出来事が、心理的また社会的に、患者に大きな影響を及ぼしていることがわかります。患者のHOTの使用状況、生活行動、病いの受け止めについては、丁寧に傾聴し、共に考える姿勢をもちかかわるようにしましょう。

退院後の訪問(自宅での生活状況のアセスメント)

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