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【連載】COPDとは全く違う! 知ってる? 間質性肺炎の看護

その人らしさを支える看護とは|慢性疾患看護の視点で考える 間質性肺炎患者・家族の支援

執筆 猪飼 やす子

聖路加国際大学大学院 看護学研究科博士後期課程 慢性疾患看護専門看護師

監修 南雲 秀子

東京医療学院大学保健医療学部看護学科助教 看護師/米国呼吸療法士(RRT) /保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

目次

※「IPFの進行と療養の経過」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。


「その人らしさを支える看護」とは

求められる臨床看護の確立

 みなさんは、次のような声を聞いたことはありませんか? 「Aさん、間質性肺炎があるけど手術は受けられるのかな?」「Bさんの抗がん薬治療が、間質性肺炎で中止になった」などです。
 
 間質性肺炎は、もし見つかれば、予定されている手術や治療を立ち止まらせてしまう難しい疾患です。このような間質性肺炎には、薬剤性や膠原病性、そして原因のわからない特発性と呼ばれるものなど、数多くの種類があります。特に原因不明の特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)は、厚生労働省の指定難病であり、9種類に分けられ、治療や予後が大きく異なります1)
 
 IIPsは、現在、診断や治療法の確立に向けて研究が進められていますが、中でも最も比率が高いとされている特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は、乾性咳嗽と労作時の呼吸困難感を特徴とし、予後は悪性疾患よりも短いケースがみられます。また症状を管理する薬剤も少なく、心身への負担が大きい疾患です2)

 イギリスでは、間質性肺疾患の専門看護師の資格があり、看護への期待が高まっています3)。しかしながら、わが国では、悪性腫瘍についてはがん看護専門看護師を中心に臨床看護の役割が確立されていますが、間質性肺炎においてはまだ確立しているとはいえません。本稿では、IPFを取りあげ、その人らしさを支える看護援助について検討していきます。

患者の尊厳を守り患者の人生を支える援助

 本稿の重要なテーマは、「その人らしさを支える看護」です。「その人らしさ」については、認知症の人々へのパーソンセンタードケアを提唱したキッドウッド博士が、“その人らしさとは、パーソンフッドであり、人として認めること、尊重、信頼である”との深い洞察を記しています4)。また、黒田ら5)は、“看護学分野における「その人らしさ」の概念分析”を実施し、その定義を「内在化された個人の根幹となる性質で、他とは違う個人の独自性をもち、終始一貫している個人本来の姿、他者が認識する人物像であり、人間としての尊厳が守られた状態という特性を指す」としました。

 このように「その人らしさを支える看護」とは、その人の固有の人生を支える援助を包含した概念と考えられます。

IPFの進行と療養の経過

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