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【連載】教え方&指導術~中堅・ベテラン・看護学生編~

3つのステップでわかる! 中堅・ベテラン看護師への指導術

執筆 内藤 知佐子(ないとう ちさこ)

京都大学医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター助教

プライドが高く、よかれと思って助言しているのに、全く聞く耳をもたない・・・・・・。そんな中堅・ベテラン看護師への指導に苦労している人も多いのではないでしょうか。ここでは、明日から活用できる中堅・ベテラン看護師への具体的なかかわり方と、指導者自身の成長にもつながるような、指導者としてのあり方を解説します。


目次

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指導を受け入れてくれない!その理由とは!?

 今回のアンケート調査でも明らかになったように、中堅やベテラン看護師の教育・指導で困っていることの第1位は「習慣・固定観念が強く新しいことを受け入れてくれない」、第2位は「プライドが高く、指導を素直に受け入れてくれない」でした。
 
中堅・ベテラン看護師困りごと&悩みごとランキング
中堅看護師編ランキング(具体的意見数30)
第1位 習慣・固定観念が強く、新しいことを受け入れてくれない (12)
第2位 プライドが高く、指導を素直に受け入れてくれない (5)
第3位 学習意識が低い (3)
 
ベテラン看護師編ランキング(具体的意見数68)
第1位 習慣・固定観念が強く、新しいことを受け入れてくれない (45)
第2位 プライドが高く、指導を素直に受け入れてくれない (11)
第3位 学習意識が低い (2)
 
※「関西クリティカルケア・コミュニティ」・「ナース専科コミュニティ」会員にアンケートを実施
 
 なぜ、中堅やベテラン看護師は、新しいことを受け入れてくれないのでしょうか。組織行動学者であるデービッド・コルブの“経験学習モデル”でも知られているように、人は失敗や成功などの経験を通して(具体的な経験)、その経験を振り返り(省察的な観察)、自分なりの仮説や教訓を得て(概念化)、それらを適用させながら学習している(新たな試み)といわれています(図1)。
 
図1:経験学習モデル
図1:経験学習モデル
 
 この経験学習モデルを用いて中堅・ベテラン看護師を捉えるならば、日々の看護活動を通して看護技術を磨き、多くの学びを得ていることが理解できます。例えば、血管が逃げやすい患者への血管穿刺の方法、身の置き所がない患者のポジショニングの方法など、皆さんも教科書には載っていない独自の手技やMy理論をおもちではありませんか?そして、その独自の手技やMy理論は、長年の経験に裏打ちされた成功体験により自信となり、看護師としての自身のアイデンティティーを保つ材料となっているのです。よって、たとえ不適切だと感じられる独自の手技やMy理論であっても、一方的に否定することは、長年培ってきた看護師人生を、つまり本人そのものを否定することと同等の意味合いをもちます。
 
 指導者側からすると、なんのエビデンスももたない独自の手技やMy理論は受け入れがたいものです。標準化を図ろうとする際の弊害にもなり、院内ルールから逸脱した手技は感染や医療事故へのリスクも高めます。だからこそ「指導をしているのに、受け入れてくれない・・・・・・」「受け入れてくれない人→頑固な人→プライドが高い人」というような構図があることがアンケート調査から推察されました。
 
 効果が得られない指導方法を、あなたはいつまでも続けますか?これまでの指導方法で変化がみられないのであれば、変えるしかありません。まずは、自分のやり方を変えてみることから挑戦してみましょう。ここからは、中堅・ベテラン看護師へ受け入れてもらえるかかわり方について解説していきます。
 

実は同じ!? 患者教育と看護師教育

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