【連載】今すぐできる!セルフコーチング

ハラスメントに負けない心をつくろう!

執筆 奥山 美奈

TNサクセスコーチング株式会社

目次

状況により揺れ動く幸福感

 皆さんは、今の自分の幸福度に点数をつけるとしたら何点でしょうか。幸福感が強い人もいればそうでない人もいると思いますが、筆者は、日々幸福感に包まれる人生を過ごしたいと願っています。きっと、皆さんもそうではないでしょうか。
 
 何か欲しいものを手に入れたり、ずっと取りたかった資格を取得したり、目標を達成したりしたとき、人間は幸福を感じます。心穏やかに過ごせているときも、じんわりと幸せを感じますし、子どもや新人の成長を感じたときにうれしくなったり、飼っているペットがいびきをかいて寝ている姿を見ても、ほのぼのとした気持ちになれます。
 
 このように、心が平穏であるときに私たちは幸福を感じるものです。逆に、誰かの言動にイラッとしたり、誰かの不用意な言葉にがっかりしたり、落ち込んだりして心が波立っているとき、私たちは幸せにはほど遠い状況にあります。「どうしてあの人はあんな言い方しかできないんだろう?」「あーあ、また感情で怒鳴ってスタッフを泣かせちゃった。ダメだなぁ。人のこと言ってる場合じゃないな……」など、とかく人と人とのコミュニケーションは難しいものです。
 
 また、「まだこんなやり方してるの!?この病院ってレベルが低すぎるっ!」「こんなところでよい看護なんてできるわけない!」など、自分自身の感じ方によっても私たちの心は簡単に揺らいでしまい、幸福感が遠のきます。

葛藤は自分磨きのチャンス!

 実は、私たちの感情が揺れ動くときには、前提に私たち自身の「考え方」が影響しています。「患者さんの大事な情報は真っ先に報告すべき」と考えていれば、日勤帯の終わりに報告してくる部下に対して「イラッ」とするでしょうし、提出物の期限が守れない新人が言い訳をしてきたとしたら、その態度にやはりムカッとしてしまうでしょう。
 
 相手との間に葛藤が起こるときというのは、多くは考え方や価値観(人生で大切にしていること)が合わない瞬間だったりするものです。相手とのくい違いは、「ああ、自分はこうした考えを大事にしてるから、こういう発言や態度が頭にくるんだな」ということを教えてくれていることでもあります。
 
 つまり、目の前の対象との葛藤とみえていることは、結局のところ「自分の信念や大切にしていること」「自分の考えの傾向性」「凝り固まった“固定観念”」に気づくチャンスでもあるともいえるでしょう。もっといえば、「その相手の存在は自分の考え方や価値観を明確にしてくれるありがたい存在でもある」と考えれば、さまざまな人との行き違いや葛藤を、自分自身を磨く砥石とすることができます。
 
 ダイヤモンドはこの世の中で一番硬い石です。濁流に流されても、泥や砂にまみれてもダイヤモンドは傷つきません。むしろ、それらがよい砥石となってより輝きを増していくのです。
 
 私たちもさまざまな葛藤や人間関係の軋あつ轢れき、パワーハラスメント(パワハラ)までを砥石に変え、さらに自分自身を磨く機会にしたいものです(図1)。

 図1 さまざまな葛藤を砥石に変え、自分を磨く
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セルフコーチングで幸せな時間を増やす!

 本特集では、皆さんが日々のコミュニケーションで生じる葛藤を、自分のリソース(自分自身の資質であったり、活用できるものや助けてくれる人を指す)に変えられるよう、物事の捉え方と明日からすぐ活用できるセルフコーチングの手法を紹介しています。
 
 泣いても笑っても人生は一度きりで、誰のものでもなく自分のものです。それならば、悩み葛藤する時間を最小限にして、幸せに包まれる時間を多くしたいものです。
 
 「過去と他人は変えられません」。セルフコーチングで自分自身の考え方の癖を知り、合理的な思考を
身につけることで感情のブレを少なくし、行き違いやハラスメントに負けないような強靭な精神力を身につけて、ぐんぐん前に進みましょう。

イラスト/たかはしみどり
(ナース専科2018年6月号より転載)

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