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【連載】コーチング・ティーチングを活かしたCKD看護指導の極意

【CKD指導】こだわりの強い患者さん

  • 公開日: 2019/12/15

Q. リスクのある状態にもかかわらず、患者さんのこだわりが強く、自分の理屈を曲げてくれません。看護師として見逃すことはできず、困っています。

 透析患者へ、水分やカリウム制限について、何度も説明や指導をしていますが、高齢者が多いためかこだわりが強く、うまくいかないことが多いと感じています。例えば、塩分を控えてほしいのに「ごはんのとき、梅干は絶対食べたい」と言ったり、カリウムの多いバナナについても「1日1本は絶対食べたい」と言い張って、考えを曲げてくれません。

 また、病歴が長かったり自己学習を重ねている患者のなかには、自分の理屈で飲水量を決めたり、自己判断でサプリメントを飲んでしまう人もいて、指導しても、なかなか聞き入れてくれないことがあります。

 しかし、看護師としては、患者にとってリスクのある状態を見逃すことはできず、どうしたらうまく指導できるのか悩んでいます。どのように対応すればよいでしょうか?

A. いくら正論でも、押しつけてしまえば、相手にとっては「否定」です。本当にその制限は必要なのか、ほかの方法はないのか、できない患者さんのことばかりでなく、自身の知識と技術(説明力)を今一度、見直してみましょう。

 患者自身のこだわりや自己流の判断によって、医療者が指導した行動ができない、または、しない場合はあるものです。

 そんなケースに出会ったとき、「この患者さんは言うことを聞いてくれない」「理解力に乏しい」「病識がない」と決めつけてしまう医療者がいますが、それは正しい判断でしょうか。

 自分の思いどおりにならないからといって、それを患者だけの責任にするのではなく、まずは自身の指導内容が、本当に患者に理解できるものであったのかを振り返ってみましょう。

 わかりづらい説明をしておきながら、一方的に患者の理解力が乏しいと判断していませんか?またその指導した内容・制限は、現在、本当に必要なのでしょうか?「制限」とは、基本的に過ぎてから行うものです。過剰に摂取したときなどの危険性を伝える必要はありますが、数値が悪くなってはいけないからと、現在も必要のない制限をしていませんか?また、ほかに変わる手段・工夫はないのかなどについても今一度、考えてみてください。

「否定」と感じさせることで聞けなくなる患者の本音

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