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【連載】スケール・評価基準を使いこなそう!

ブルンストローム・ステージ(Brunnstrome stage:Brs)

執筆 成田亜希子

医師

1.このスケールは何を判断するもの?

 ブルンストローム・ステージ(Brunnstrome stage)とは、主に脳血管障害による片麻痺の回復過程を評価するためのスケールです。脳血管障害などによる片麻痺の程度は発症から時間が経過するにつれ一定の変化が生じます。このスケールではその一定の変化を分類基準とすることで発症後に起こりうる神経学的症状の変化や機能的な予後を予測することが可能となるのです。

 ブルンストローム・ステージは主にリハビリを行う際に継続的に片麻痺の程度を評価するために用いられるスケールですが、以前のstageと比較することで脳血管障害の増悪や再発が示唆されるケースも少なくありません。

 なお、このスケールの評価は上肢・手指・下肢の機能を総合的に見た症状とそれぞれの片麻痺の症状をstage Ⅰ~Ⅵまでの段階にそれぞれ分類する方法で行います。

2.スケールはこう使う!

 ブルンストローム・ステージは上肢・手足・下肢の片麻痺の症状を6段階で評価し、回復過程を予測するためのスケールです。

 脳血管障害による片麻痺を発症した患者さんの一般的な回復過程としては、まず随意運動が全くない状態から筋収縮(痙性)が生じるようになり、より大きな動作である共同運動が可能となります。そしてさらに回復すると、関節ごとの独立した動きができるようになり、やがて緻密性やスピードが劣ることは少なくないものの、ほぼ正常な運動ができるようになるのです。

 ブルンストローム・ステージではこのような一連の流れを上肢・手足・下肢それぞれについて評価していきます。それぞれ見るべき運動機能の項目が羅列されている評価用紙もあります。自身の勤務している施設に評価用紙がある場合は、用紙に合わせて評価を進めていきます。また、評価用紙はインターネットからダウンロードもできます。

 評価を行う際には、患者さんに所定の動作をしてもらうことが必要です。この際、転倒などによる外傷のリスクがありますので安全を確保しながら行うよう注意しましょう。

3.スケールの結果を看護に活かす!

 ブルンストローム・ステージは一度だけの評価ではなく、定期的に再評価を行って片麻痺の回復過程を追っておくことが大切です。

表 Brunnstromの運動検査による回復段階
Brunnstromの運動検査による回復段階
石田暉:脳卒中後遺症の評価スケール.脳と循環 1999;4:151-159.より引用

 一定のstageから機能が上昇しない場合は、そこが回復の限界である可能性が高いと考えます。そして、十分な運動機能の回復が見られない場合は、日常生活に支障をきたさないよう運動機能を補助するための装具着用、自宅リフォームなどの対策を進めていく必要があります。

 また、経過の中でstageが急激に低下する場合は脳血管障害の増悪や再発の可能性があるため、速やかに医師に報告しなければなりません。さらに、緩やかな低下の場合は誤った治療やリハビリを行っている可能性がありますので、適切なアセスメントをしてチーム全体で共有するようにしましょう。

参考文献

1)脳卒中合同ガイドライン委員会:脳卒中治療ガイドライン2009.一般社団法人日本脳卒中学会(2019年12月11日閲覧)http://www.jsts.gr.jp/guideline/350_51.pdf

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