【連載】現場で使える!英会話1分間レッスン

症状の聴取を英語でするには?[消化器編46]

執筆 佐藤まりこ

米国RN(Registered Nurse)

外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!


患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされました?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要です。

今回は、腸の疾患:大腸がんのリスク要因・症状・事例を紹介します。

大腸がんは、「colon cancer」または「colorectal cancer」といいます。 colorectal cancerは直訳すると「結腸直腸がん」ですが、「大腸がん」と訳するのが一般的です。

大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)にできるがんであり、日本人が最も多くかかるがんです。大腸がんは、早期発見・早期治療により9割以上が治るといわれています。早期発見のため40歳からの定期的な検診を勧め、大腸がんのリスク要因についての理解を促し、リスクを軽減していく教育的なかかわりが重要視されています。

今回は、以下の事例に沿って、Colon Cancerの症状の把握に必要なフレーズを紹介します。


<事例>69歳男性

3か月前から下痢が続くようになりトイレの回数がいつもより多くなる。トイレットペーパーに血が付着することもあったが痛みはなく、痔だと思い込みそのまま放置していた。
一週間前から毎回トイレに行くと出血し、左下腹部に軽い痛みが出始める。体のだるさが顕著に出始め、息切れや動悸が出現していた。
今朝、突然の激しい腹部痛に襲われ、茶色の嘔吐物を繰り返し嘔吐する。妻が救急車を要請し救急搬送される。

来院時バイタルサイン:
BP180/104mmHg、P107回/分、KT36.9℃、SAT95%、意識レベルクリア、痛みスケール7/10、体重68kg
既往歴:高血圧、2型糖尿病(内服治療中)
家族歴:実父が大腸がんの既往あり
問診により、一年前に健康診断で便潜血陽性にて再検査の指摘を受けていたが未実施であることが判明する
緊急の内視鏡検査によりS状結腸に腫瘍を認めたため、大腸がんであることを告知し、精査・手術目的にて緊急入院となる。


本日のフレーズ

「最近、便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返す、トイレの回数が増える、便の色が変わる、
便が細くなる、便が出きった感じがしないといった便通の変化はありましたか?」

今回は、便通の変化について尋ねましょう。
腹部の激痛と便臭を伴う茶色の嘔吐は、腸管の閉塞(bowel obstruction)を疑います。
腸管の閉塞には、閉塞性や絞扼性などさまざまな原因があります。
大腸がんの可能性を疑う場合には、比較的初期の症状として表れやすい便通の変化を確認しましょう。

さて、みなさんはどう英語で表現しますか?

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