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【連載】急変対応マニュアル

心外閉塞・拘束性ショックの病態とその対応

解説 木下 佳子

NTT東日本関東病院副看護部長 急性・重症患者看護専門看護師

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急変症状の中でも「ショック」にはさまざまな原因があり、その見極めを覚えておくことは重要です。ここでは見極めのポイントとそのとき看護師は何をすべきかを解説します。


心外閉塞・拘束性ショックとは

(a)心タンポナーデ
(b)収縮性心膜炎
(c)重症肺塞栓症
(d)緊張性気胸

心原性ショックと同様に、心臓が障害されて起こるショックですが、その障害の原因が異なります。心原性は心臓自体に問題があるケースで、心外閉塞・拘束性ショックは、心臓自体は元気であるにもかかわらず、心臓の外側で起きた問題により心臓のポンプ機能が障害された結果、心拍出量が低下してショック状態となることです。ここでは特に、(a)心タンポナーデ、(c)重症肺塞栓症、(d)緊張性気胸について説明します。

(a)心タンポナーデ

心膜腔に水や血液が貯留することで、心臓のポンプ機能が働かなくなり、その結果、心拍出量が低下し、静脈還流の低下が起こります。そして、血圧が上昇し、脈圧は低下、中心静脈圧が上昇して、ショック状態になります。

心タンポナーデの仕組み説明図

図1 心タンポナーデの仕組み

脈圧とは、収縮期血圧と拡張期血圧の差です。例えば120/80mmHgであれば脈圧は40mmHgとなり十分な値で、収縮と拡張がきちんとできていることがわかります。これが110/90mmHgであれば、脈圧は20mmHgとなり、ポンプ機能がしっかり働いていないことになります。

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