【連載】看護師のための輸液講座

第7回 ドレッシング管理のコツ

監修 日本コヴィディエン株式会社

シングルユース医療機器の製造及び販売、並びにこれらに関連する一切の事業

執筆 井上善文

医療法人川崎病院 外科 統括部長

ドレッシング管理

中心静脈カテーテル(Central Venous Catheter:CVC)の管理において、特に、ナースが主導権をもって管理しているのが、このドレッシング管理ですね。
毎日のようにドレッシング管理を行っている方が多いので、今さらコツを教えると言われても、もう知っていることだからと思われる方は、画面右上隅の×をクリックして閉じていただいて結構です。
でも、普通は、最後まで見るでしょう。
パラパラと見るのは、きっと写真なので、今回は写真を多く使った内容にしようと思います。

中心静脈カテーテル挿入部の選択

実は、ドレッシング管理において一番重要なのは、『ドレッシング管理がやりやすいようにCVCを挿入する』ということです。
最初のステップでもあります。
どういうことかと言いますと、内頚静脈穿刺や外頚静脈穿刺、鎖骨上穿刺で挿入すると、ドレッシングを密封して貼りにくくなります。大腿静脈穿刺の場合も同様です。
だから、ある程度の長期間、CVC挿入部に適正なドレッシング管理をしようと思ったら、鎖骨下穿刺を選択するべきなのです。
しかしCVCを挿入するのは医師ですから、『CVCを挿入する部位の選択を指導する』というのがナースの役目でもあります。
(下図)
A:内頚静脈穿刺
B:外頚静脈穿刺
C:大腿静脈穿刺
D:鎖骨上穿刺

A:内頚静脈穿刺/B:外頚静脈穿刺/C:大腿静脈穿刺/D:鎖骨上穿刺

どの経路も、ドレッシングを安定して貼付するためには、工夫が必要です。

この点を考えると、鎖骨下穿刺が有利であることは明白です。
しかし、穿刺時の安全性も考慮する必要があります。
また、CVCの固定方法も重要です。
(下図)
A,B:1ヶ所での固定。
C,D:複数ヶ所での固定。

A,B:1ヶ所での固定。/C,D:複数ヶ所での固定。

固定糸はできるだけ少ない方が、糸への感染という面からは有利です。
Cは固定ヵ所が多すぎます。
Dは、もっとループを小さくした方がドレッシング管理は容易になります。
3~5ヶ所で固定することを勧めている方もいますが、私は1ヶ所しか固定していません。
その理由は、何ヶ所も固定すると、患者さんに痛い思いをさせることになりますし、固定糸が多いほど感染する可能性が高まりますし、ドレッシングの貼り方がむずかしくなる場合がありますので、ということです。
しかし、事故抜去が問題になることもありますので、この場合は、ドレッシング管理がしやすいように、ということを考えて複数個所で縫合固定すればいい、ということになります。

中心静脈カテーテル挿入部の消毒方法

消毒方法についてはいろんな意見があります。
ガイドラインではクロルヘキシジンアルコールまたはポビドンヨードを用いればよい、とされています。
私は、アルコールで皮脂を除いてポビドンヨードで消毒するという方法を採用しています。
ポビドンヨードでの消毒だけでは、CVC周囲に『カス』のような黒いものが付着し、その量がどんどん増えていく、そんな問題があると思います。
アルコールで皮脂とともに『カス』も取り除く、これが重要だと思います。
『カス』は残渣、ということになるのでしょうか。

中心静脈カテーテル挿入部の消毒方法

ポビドンヨードで管理しているCVC。
糸のまわりにこびりついている『カス』を示す。
こういう『カス』は感染源になる可能性があるので、除去したいものである。
しかし、ポビドンヨードを用いる場合には、塗布したポビドンヨードが乾燥してからドレッシングを貼付することが重要です。
この『乾燥してから』というのは、乾燥する時に消毒効果が発揮されるという意味ではなく、フィルム型ドレッシングの場合にはドレッシングを皮膚に密着させることができないから、という意味です。
ポビドンヨードの消毒効果は、乾燥する時に発揮されるのではなく、接触時間が大事である、ということを確認してください。
ポビドンヨードが乾くのを待つ間に輸液ラインを交換するようにしています。
クロルヘキシジンアルコールを用いる施設もありますし、この方法も有効だということが報告されています。
ポビドンヨードと異なり無色ですから、刺入部が発赤したり膿汁が付着したりした場合、わかりやすいという利点もあります。

CVC挿入部の固定糸の感染

CVC挿入部の固定糸の感染。
左はフィルム型ドレッシングを使用している場合で、膿汁が貯留していることを透見できる。
右も固定糸周囲の膿汁を認める。
しかし、ポビドンヨードでも発赤はわかります。
それと、ポビドンヨードは消毒範囲がわかりやすいという利点もあります。

ポビドンヨードを用いた消毒

ポビドンヨードを用いた消毒。
ポビドンヨードの色がついていない部分が、消毒されていないことがわかる。
なぜこういうことになったのか?わからないが、とにかく、消毒されていない部分があることはポビドンヨードの場合は『目で見てわかる』。

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