【連載】なぜ? どうして? 22問でわかる 最新 感染対策

第13回【尿道留置カテーテル関連編】一番効果のある感染防止策は?

監修 藤田昌久

日本医科大学付属病院 医療安全管理部 感染制御室 看護師長 感染管理認定看護師

執筆 藤田昌久

日本医科大学付属病院 医療安全管理部 感染制御室 看護師長 感染管理認定看護師

尿道カテーテルの留置は尿路感染の原因となることから、その予防策は重要です。しかし、効果のある感染防止策がわからず、じつは、根拠のない対策をしているということも……。感染リスクについて理解し、適切なケアを行いましょう。


Q 尿道留置カテーテル関連感染防止に最も効果があるとされているものはどれですか?

(1)尿道口の消毒
(2)カテーテルの定期的な交換
(3)採尿バッグ開放回数を少なくする
(4)早期抜去
(5)抗菌薬による膀胱洗浄
(6)定期的な陰部洗浄

※A (4)

感染のリスクが最も高いのは長期留置、早期抜去が大切

※尿道留置カテーテルの使用適応を把握しよう

最も感染のリスクとなるのは長期留置です。従って最も効果的な対応は早期抜去になるので、(4)の「早期抜去」が正解です。尿道留置カテーテルは、本来の使用適応(表)に合致したもの以外は挿入されていること自体失念されやすいという研究報告もあります。

図 尿道留置カテーテルの適応

尿道留置カテーテルの適応説明表

カテーテルの定期交換は感染防止の根拠なし

カテーテルの定期交換そのものは、感染防止効果を期待する上では根拠はありません。挿入されている患者さんのカテーテル、採尿バッグの取り扱いを適切に行う以前に抜去の可否または代替案を考えることが必要です。このことから、(2)「カテーテルの定期的な交換」、(3)「採尿バッグ開放回数」を少なくするは除外されます。
(5)「抗菌薬による膀胱洗浄」も除外されます。その理由としては、膀胱洗浄は尿道留置カテーテル関連感染防止の効果としての根拠は示されていないことが挙げられます。膀胱洗浄は感染防止の観点からは行いませんが、治療上実施することが必要な場合もあります。
実施するのは、膀胱の手術や炎症などにより、出血や凝血塊がある場合、またカテーテルが閉塞された、あるいは閉塞が予想される場合です。行う際には、確実に清潔操作を行い、感染を起こさないように気を付けます。
また(1)「尿道口の消毒」に関しては、ケアにおける尿道口への消毒薬使用の有用性について調査がいくつか報告されていますが、種々のガイドラインでは日常的なケアにおける尿道口への消毒薬の使用は基本的には推奨されていません。従って基本的には日常的に消毒薬を使用する必要はないので除外されます。
しかし、尿道留置カテーテル関連感染の感染経路として最も多い細菌の押し込みを防止する目的から、陰部に定着している汚れを物理的に洗い流すことは、感染のリスクを低減する可能性がありますので、(6)「定期的な陰部洗浄」は行ってもよいでしょう。ただし、粘膜損傷は細菌の定着のリスクを高めるので慎重に行う必要があります。

(『ナース専科マガジン』2011年1月号より転載)

※次回からは、「中心静脈カテーテル関連感染防止編」です。ドレッシング材交換の正しい手順を学んでいきましょう。


※引用・参考文献
1)Guideline for Prevention of Catheter-associated Urinary Tract Infections
2)Burke JP, Garibaldi RA, Britt MR, et al.:Prevention of catheter-associated urinary tract infections. Efficacy of daily meatal care regimens, Am J, Med, 70(3), p.655-658, 1981.
3)Guideline for Prevention of Catheter Associated Urinary Tract Infections,2009http://www.cdc.gov/hicpac/pdf/CAUTI/CAUTIguideline2009final.pdf p.11


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