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【連載】ナースのための認知症ケア

第3回 これって認知症?認知症の診断基準

監修 三宅貴夫

社団法人 認知症の人と家族の会 顧問 京都保健会盛林診療所 所長

認知症判断の基準は?

10人10色の物差し

介護職の人は認知症の人と日常的に接していますが、改めてその人が認知症であるかないかをどうして判断しているのでしょうか。10人10色の答えが返ってきます。これはなにも看護職だけのことではありません。実は介護職や医師の間でも同じです。 これだけ介護の場でもマスコミでも認知症という言葉が広く使われているにもかかわらず、広く認められた判断基準がないのでしょうか。できれば共有できる基準を持ちたいものです。

認知症を専門とする医師の間でよく使われる認知症の診断基準が2つあります。一つは1994年にアメリカの精神医学会が提唱したもの(DSM-IV)と、2003年に世界保健機関(WHO)が決めたもの(ICD-10)があります。私はこの二つのうち前者が内容や使いやすさからよい基準と考え日常的に使っています。

DSM-IVとは

DSMは正式には「精神障害の診断と統計マニュアル」とよび、アメリカの精神医学会が精神障害の診断基準として提唱してきたものです。DSM-IVとは1994年に提唱した第4版です。これは子供と成人の精神障害を網羅し、その診断基準を精神科医以外の人も使うことができるように簡明なものとなっており、世界的にも普及しています。

このマニュアルのなかに認知症(Dementia)の診断基準があります。但し正確には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症などと分類され、認知症としての診断基準はありません。認知症グループの疾患に共通する部分を取り上げ、それを簡略に示した以下の基準で認知症の診断基準としています。

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