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【連載】認定看護師インタビュー

第1回 看護師自身の感性や価値観を高めることが大切

監修 下条奈己

東邦大学医療センター 大森病院 がん性疼痛看護認定看護師

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がんが引き起こす痛み

患者さんの中には、痛みに関して我慢する事が美徳だ、という考えを持っている方がいらっしゃいます。特にご年配の方に多い印象があります。痛みの程度や感じ方は人によって違うため、痛みを我慢していることになれている人は、つい我慢をしがちです。しかし、痛みは薬で和らげることができ、がんの進行とは比例しないということを皆さんに知っていただきたいです。

また、痛みは感じている本人にしかわからないということも知っていただきたいと思います。私たち看護師は、痛みがあるということを本人が訴えやすいよう、配慮することが必要です。

今までにけがや病気などで痛みを感じたときのことを思い出してください。おなかが痛い、頭が痛いといった症状は、周りの人に伝わらないということもあったのではないでしょうか。目に見えてわかるものではないために、本当の痛みは、痛みを感じている本人にしかわかりません。看護師が患者さんの痛みを勝手に判断し、痛みの程度を決めることだけは、決してしてはいけません。

患者さんが痛いと訴えたら痛みがあると信じ、その程度についても、患者さんが訴えるものを信じることが大切です。患者さんの訴えを疑ってしまうことは、看護ケアの質の低下や患者さんからの訴えの妨げにもつながりかねないからです。

がんによって引き起こされる痛みとは、単なる物理的な痛みだけではありません。家族に対する申し訳なさや仕事ができない悔しさ、今後に対するストレスや不安が、痛みを強くします。痛いと訴えることができるのは本人だけであり、家族にも本人の痛いという言葉を全面的に信用して頂くよう、伝えています。

痛みを判断する

痛みの程度を判断する際、人生で一番強かった痛みを想像して、その痛みの程度を10としたらいくつくらいか、という質問をする事があります。また、他の症状に例えてみることもあります。個人差があることなので、表現しづらい場合もあるのですが、患者さんが表現しやすい方法で表してもらいます。

次に痛みの性質の判断です。ずきずきする痛み、押さえつけられるような痛み、しびれるような痛み、締め付けられるような痛み、差し込むような痛み、と様々な表現の仕方があります。 このようにして痛みの程度や性質を尋ね、その部位を知ることで、転移の可能性についても考えることができます。