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【連載】ナースのための認知症ケア

第7回 精神状態・生活環境で認知症の状態が変わる

監修 三宅貴夫

社団法人 認知症の人と家族の会 顧問 京都保健会盛林診療所 所長

認知症の原因は基本的には脳の病気であることは言うまでもありませんが、認知症という状態は脳の病気であり、これを1次要因と呼びます。これだけで決まるのではなく、認知症の人の身体状態、精神状態、生活環境状態などにも影響され、これを2次要因と呼びます。

この二つの要因が原因となって認知症の状態を決めると考えます。今回はそのうち2次要因について述べます。

身体状態がもたらす影響

認知症の人の身体状態は認知症の状態や症状に影響します。発熱、脱水、貧血、便秘、甲状腺機能低下、難聴、視力障害などがあると認知症は悪化しやすくなります。

例えば、食事が十分に摂れなかったり、下痢が続いて脱水状態になっていると認知機能が低下して認知症が悪くなることがあります。こうした時、経口で水分を十分に摂るか、点滴で補液するだけで認知症が良くなることは稀ではありません。

認知症の人は身体状態を自ら訴えることは少なく、周囲の人が気付くか、身体面の検査で初めて認められることもあります。認知症が悪くなった場合、必ず身体状態の把握は必要であり、原因に応じた治療や介護で改善することもあるのです。

また聴覚や視覚の低下がある認知症の人は、情報が不正確になり認知症が見かけ上悪くなることがあります。どこまで聞こえているか、見えているかの判断をしながら場合によってゆっくりはっきり話すなどの対応が望まれます。

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