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【連載】ナースのための認知症ケア

第11回 認知症の人の心理を理解したケア

監修 三宅貴夫

社団法人 認知症の人と家族の会 顧問 京都保健会盛林診療所 所長

認知症の人への適切なケアは正しい認知症の人の心理の正しい理解に基づいたものでなければなりません。認知症の人には4つの心理面の特徴があり、今回はその二つについて説明します。

記憶障害

記憶障害は、認知症の人の基本的な心理状態です。記憶障害のない認知症はありません。この記憶障害は、健康な高齢者の記憶障害とは異なり、新しくて大切なことまで覚えにくくなるのです。健康な高齢者は新しいことは覚えにくくても、新しくて大切なことは覚えることができるし、覚えにくいと自覚して紙に書くなど他の方法で覚えようとします。

これに対して認知症の人は、新しいことが覚えにくいことに加え、大切なことと大切でないことの判別がつきにくく、大切なことまで忘れてしまいます。 また認知症の人の記憶障害は、あることをすっかり忘れるようにもなります。

例えば、夕食をすませた後、健康な高齢者では何を食べたか食事の内容をすべて覚えているわけではありませんが、食べたこと自体を忘れることはありません。認知症の人は、この夕食を食べたことまですっかり忘れてしまうようになります。

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