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【連載】ナースのための認知症ケア

第15回 認知症患者の身体状態を把握し、安全を守る

監修 三宅貴夫

社団法人 認知症の人と家族の会 顧問 京都保健会盛林診療所 所長

身体状態を把握する

認知症の人は、怪我したり病気になっても的確に自分の状態を周囲の人に伝えることが出来にくくなっています。このため介護する人が認知症の人の身体状態を早期に発見することが求められます。

その観察のポイントはいつもと違うということに気づくことです。朝起きるのが遅い、顔色や表情が違う、朝食をあまり食べない、落ち着かない、歩き方がおかしい、ベッドで横になっていることが多いなど、いつもと違う生活や状態に気づいたら認知症の人の怪我や病気を念頭に置きます。

いつもと違うと気づいたら次に質問します。この際も「どうしましたか」「何か具合悪いですか」といった問いかけ方はよくありません。質問が漠然として認知症の人がどう答えてよいか困るのです。具体的に聞くことです。

「頭が痛くありませんか」「むかむかしませんか」「足が痛くありませんか」と「はい」か「いいえ」ですぐに答えられるような質問がよいのです。頭が痛いことがわかれば、直ちに医師の診察を受けましょう。医師は、診察のほかに血液、胸部レントゲン、心電図、超音波、CTなど認知症の人に負担が少なく恐怖感が起こりにくい検査をするでしょう。こうした検査で客観的に認知症の人の身体状態を把握します。頭痛の原因が転倒による急性硬膜下血腫と診断されるかもしれません。直ちに脳外科的な手術が行われないと生死にかかわる状態になります。

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