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【連載】ナースのための認知症ケア

第17回 認知症患者の人権

監修 三宅貴夫

社団法人 認知症の人と家族の会 顧問 京都保健会盛林診療所 所長

認知症の人の人権を守る

認知症の人は、欲しいこと、して欲しくないこと、あるいは望みや期待を自分から的確に伝えることができません。身体拘束をされても抵抗できません。虐待を受けて財産や身体を守ることができません。

このように認知症の人は弱い立場に置かれ、とりわけ認知症高齢者は認知症があり高齢であるがために最も人権が無視されやすい人達です。このような立場に置かれていることに加え、認知症ケアの困難さも加わって、在宅での介護心中、施設での虐待などが後を絶たないのは残念なことです。

介護する者は誰一人好き好んで身体拘束したり虐待をしたりしているわけではありません。日々の介護の辛さ、認知症の人を思いながら懸命に介護していても報われることが少ない介護の虚しさ、そのなかでの心身の疲労などから、自覚しないうちに軽蔑的な言葉をかけてしまったり、言うことを守らないと体罰をしたりしてしまいます。また家族や時には家族でない人が認知症の人の財産を勝手に処分したり、介護職の人が認知症の人の財産を横領する事件も起きています。

認知症の人はこうしたことに気づいて防ぐ術を持っていません。家族や介護職らが自ら認知症の人の人権擁護についての認識と強い意志をもっておかなければなりません。

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