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【連載】ナースのための認知症ケア

第18回 認知症患者の家族の心理

監修 三宅貴夫

社団法人 認知症の人と家族の会 顧問 京都保健会盛林診療所 所長

認知症患者の家族の心理

認知症の人の介護に家族は不可欠な存在です。認知症の人のおおよそ3分の2の人は家族の介護を受けながら生活しています。通所施設や入所施設での介護でもさまざまな場面で家族が関係します。このため認知症の人をかかえる家族の心理について理解をしておくことは、よりよい介護とよりよい家族関係を作ることにつながります。ここの挙げるいくつかの心理を家族は段階を踏んで変わるのではなく、常に巡り回っているのが実際の姿です。

(1) 判断の遅れ

家族が認知症に気づくのに遅れることがあります。その理由として、認知症について間違った知識によって病気によるもの忘れを老化現象と思い込んでいる場合があります。これには「あのしっかりした親が認知症になるはずはない」という思いも含まれています。

さらに「親が認知症になってもらっては困る」という拒否したい心理が働いていることもあります。認知症の気づきが遅れることで、治るはずの認知症の治療の時期を失したり、認知症と気づかず不適切な介護を続けてしまうことにもなります。最近、認知症の早期発見が重要視されていますが、本人の自己決定権をできるだけ尊重することにつながるだけでなく、アルツハイマー病でもアリセプトを早期に服用することで認知機能の低下をより遅らせる可能性があり、また脳血管性認知症でも高血圧などを適切に管理・治療することで進行を抑えることは不可能ではありません。

しかしがんと同じく、治らないことが多い認知症の、早期発見とその告知は本人も家族も躊躇する気持ちがあることも知っておきたいことです。

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