お気に入りに登録

【連載】急がば学べ! 呼吸のしくみ

第1回 呼吸器の構造と役割

解説 宮川哲夫

昭和大学大学院 保健医療学研究科 呼吸ケア領域 教授

9e8ee232330f412f6096cd3c216c366d

まず、呼吸ケアの基本中の基本である、呼吸とガス交換のメカニズムをおさらいしましょう。呼吸がどのようなもので、それによって体の中でどのようなことが起こっているのかを、ここでしっかり理解しておけば、血液ガスデータの意味や病態生理を正しく把握することができます。


気管・気管支

呼吸とは、体内のあらゆる臓器に酸素を行き渡らせ、その酸素をもとに行われた生命活動によって必要なエネルギーを得て、産出された二酸化炭素を体外に排出すること。そして、この呼吸を司っているのが呼吸器です。呼吸器の構造を空気の通り道で見てみると、鼻と口を出発点に、咽頭、喉頭、気管、気管支へと続きます。

気管支は左右に分岐し、それぞれ左肺と右肺に入り、葉気管支から細気管支へ、細気管支は終末細気管支へと枝のように分かれ、どんどんと細くなっていきます。

通常、鼻腔から喉頭または声帯までを上気道、それ以下の気道を下気道と呼びます。気管・気管支は空気の大切な通り道ですが、それだけではなく、吸入した異物などを痰として押し上げて排出する役割も持っています。

肺胞

終末細気管支の先にあるのが、呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢、そして肺胞です。肺胞はブドウの房のように密集していて、その数は約3~5億個です。これらの肺胞は間質という支持組織で囲まれており、肺胞の壁の内部は毛細血管が網状に張り巡らされています。ここでガス交換が行われます。

細気管支や肺胞が分泌物などで閉塞していたり、虚脱してつぶれていたりすると、その部分に入った空気はガス交換されません。

次のページは「肺の構造と役割」について解説します。