1. トップ
  2. 看護記事
  3. 症状から探す
  4. 麻痺・拘縮
  5. 拘縮患者さんの清拭・陰部洗浄のコツと注意点

【連載】難しい患者さんの日常ケア

拘縮患者さんの清拭・陰部洗浄のコツと注意点

  • 公開日: 2014/3/13

▼体位変換・ポジショニングについて、まとめて読むならコチラ
体位変換とポジショニング


拘縮のある患者さんへの清潔ケアのキホン

 清潔の援助は、拘縮の有無にかかわらず日常的なケアであり、実施頻度の高いケアです。片麻痺では健側からのアプローチが可能ですが、拘縮では身体の動きが制限されるため、援助が難しくなります。そのため、拘縮のある患者さんへの清拭ケアは、片麻痺の場合よりも難しく、苦手とするナースが多いようです。

清潔の援助は全身状態を観察できるチャンス

 拘縮の程度は患者さんによって異なります。一人ひとりの身体の状態に合わせたケアを行うためにも、丁寧に観察して、どこにより強く拘縮が現れているかなどの状態や程度を正しく把握することが重要です。拘縮している部位を一時的に伸展や屈曲させる場合、脱臼や骨折のリスクもあるため、どのくらいまで伸展・屈曲できるのか、頻回に声かけをしながら、表情を見て注意深くケアを行うことが重要なポイントです。

 また、大切なのは拘縮を悪化させないことです。そのためにも日々の観察は欠かせません。拘縮によってスキントラブルが起こりやすくなるため、清潔ケア時は、拘縮のある関節の内側の皮膚を観察します。

 さらに褥瘡は拘縮によって好発部位が変化します。たとえば、下半身がねじれていると、骨突出による圧迫箇所が仙骨部以外にも生じている可能性があります。清拭時に体全体を観察し、除圧が必要な箇所を発見するようにします。清潔の援助は全身状態を観察できるよいチャンスだと考え、丁寧な観察と次のケアにつなげることが大切です。

拘縮のある患者さんへの清拭

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

シャワー浴を実施する患者さんへの看護計画|終末期の患者さん

肺がんの終末期でシャワー浴を実施する患者さんに関する看護計画  肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍で肺そのものから発生した原発性と、他の臓器で悪性腫瘍が発生し肺に転移した転移性があり、手術療法、化学療法、放射線療法が単独あるいは組み合わせて選択され、治療が行われます。改善してい

2024/3/29

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
4位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
5位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
6位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
7位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
8位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636
9位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
10位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949