【連載】500人のギモン&お悩み徹底解決

うまいオン・オフの切り替え方法とは?

解説 蒲池あずさ

横浜市立大学附属市民総合医療センター リエゾン精神看護専門看護師

休日を充実して過ごすには、しっかりとオンとオフの切り替えをすることも必要ではないでしょうか。そこで今回は、オンとオフの切り替えについて解説します。また、休日の夕方ごろに訪れる気持ちの落ち込みについても考えていきます。


Q 勤務時間が明けても仕事のことが頭から離れません。うまくオン・オフを切り替える方法があれば知りたいのですが。

A まずは意識して、気持ちのうえでメリハリをつけることから始めます。

まずは気持ちのメリハリをつけることから始める

仕事が終わればパッと割り切って頭を切り換える、これができる人はそう多くはなさそうです。しかし、ずっと引きずったままでは気が休まらず、悶々としたまま次の勤務を迎えることになりかねません。

まずは、気持ちのうえでメリハリをつけるよう心がけてみてください。出勤で家を出たとき、病院に着いたとき、白衣に着替えたときなど、普段から何気なく仕事モードに切り替えている瞬間があるはずです。それを意識して行うようトレーニングし、白衣を着たらオン、白衣を脱いだらオフといった具合にオンとオフの切り替えを促して、自分のパターンをつくっていきます。

また、休みの日になっても、気がかりな患者さんのことや、うまくいかなかったことをもち越してしまう場合もあるでしょう。それを無理に封じこめ、まったく考えないようにするのも難しく、かえってストレスになるかもしれません。

その場合は、何か余程のことがあったのだと思い直して自分で時間を区切り、その間に徹底して振り返ります。そうすることで、ここまで考えた結果がこうなんだからもう考えるのはやめようといった切り替えができるはずです。

このほか、仕事を忘れるほど集中できること、例えばたまった洗濯や掃除を一気にやる、料理や趣味に没頭する……などに取り組むのも一つの方法です。

Q 休日の日中は楽しく過ごしているのに、夕方頃から明日仕事だと思うとイライラしたり悲しくなったり、気持ちの落ち込みが激しくなります。これはうつの症状なんでしょうか。

A 同じ症状が2週間以上ずっと続いているかどうかが診断のポイントです。

状態を見極め、治療が必要になる前に対処する

うつ病(気分障害のなかの「大うつ病性障害」)は、職場環境や人間関係、過重労働などによるストレスの蓄積が原因となり、発症する人は確実に増加しています。

米国精神医学会(APA)は『精神疾患の分類と診断の手引(DMS-IVTR)』を作成し、うつ病(気分障害:大うつ病エピソード)の診断基準として9項目を挙げています。質問者のように自身のうつ病を疑う場合はチェックしてみるとよいかもしれません。

注目すべき点は、「同じ2週間の間に存在」すること、「それらの症状のうち、5つ(またはそれ以上)あり少なくとも1つは、[1]抑うつ気分、あるいは[2]興味または喜びの喪失」ということです。これにあてはまる場合、うつ病と考えられます。

質問者は「休日の日中は楽しく過ごせるが、夕方頃から明日仕事だと思うと」イライラや落ち込みが出てくるようなので、うつ病ではなく、仕事に対するストレス反応だと思われます。

また、女性の場合、女性ホルモンの分泌周期に伴って、排卵から月経開始までの時期に身体症状や精神症状を訴える人もいます。気分の沈みやイライラが気になるとき、自分にこうした月経前症候群(PMS)の傾向があるか把握しておくと、その時期の楽な過ごし方を見いだしやすくなります。

ただし、こうしたストレス反応も何の対処もせず放置していると、ストレス関連の身体疾患や適応障害に陥る危険があります。適応障害は、はっきりした特定のストレス要因への反応として現れるのが特徴です。

不安・焦燥・過敏・混乱などの情緒的な症状や、不眠・食欲不振・倦怠感・頭痛・肩こりなどの身体症状、遅刻・欠勤などの問題行動が現れるため、症状が進むと対人関係や仕事に支障をきたすことになりかねません。治療を要する状態に陥る前に、ストレスを上手にマネジメントしていくことが大切です。

抑うつ気分(状態)とうつ

憂うつ、気が滅入る、寂しい、悲しいなどの気分を「抑うつ気分」といいます。また、抑うつ気分と合わせて、考えがまとまらない、おっくうなどの精神運動性抑制や、頭痛・肩こり・食欲不振などの身体症状が現れた状態を「抑うつ状態」といいます。

こうした気分の落ち込みは多くの人が日常のなかで経験するものですが、だいたいは2~3日以内に治まります。うつ病の場合は、落ち込みが2週間以上長く続くのが特徴です。

>>次ページでは、ストレスを上手にケアする方法について考えます。

ページトップへ