【連載】月刊 小林光恵新聞

月刊 小林光恵新聞【第9号】復職の呼びかけで重要な「ウェルカムの雰囲気」

執筆 小林光恵

「エンゼルメイク研究会」「看護に美容ケアをいかす会」代表

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今月は、「復職の呼びかけで重要な「ウェルカムの雰囲気」」と、「突撃! ナースの里帰り⑨」をお送りします。

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小林光恵の視点

2025年に看護職員は、約200万人が必要であると推計されています。

 

総務省発の「医師等の確保対策に関する行政評価・監視の結果に基づく勧告(概要)」(勧告日:平成27年1月27日 勧告先:厚生労働省)に、就業している看護師等は154万人(平成24年)で、潜在看護師等は71万人(平成22年)と記されています。

年間およそ5万人が看護職につき約10万人が離職している現在ですから、離職率を下げるための対策は必要ですが、と同時に、潜在看護師等の復職支援も大きな課題だといえるでしょう。

潜在看護師等の7割が復帰したなら、200万人を超える計算になるのですから。

潜在看護師が職場復帰できない(しない)理由として、まずあげられるのは「子育て」でしょう。前述の総務省の勧告の1P目をご確認ください。男性医師に「潜在」の文字はありません。

今後、保育所の完備や時短勤務体制などなど、ワークライフバランスの具体的な実現が大いに進むことでしょう。

ほかに技術や能力的なこと、夜勤への身体的負担の不安なども復帰に踏み切れない理由だと思われ、研修など手厚い支援が必要ですね。

それともう一つ重要だとおもうのは、「ウェルカムの雰囲気」です。

ネット検索をしただけでも、潜在看護師の復帰支援としてさまざまな取り組みがされているのはわかり、「ウェルカムの状況」を知ることができるけれど、潜在看護師の立場にある人は、離職前に勤務していた状況を思い出し、職場の人間関係に対する不安が出てくるのではないでしょうか。

復帰者を受け入れる現場スタッフは、受け入れるための負担が生じる部分はあるわけで、時短勤務など特別扱いしてもらうことにものすごく気が引けるかも、などと考えて。

子育て中の看護師Aさんは、某病院で復職の面接をした際に、常勤採用について質問したそうです。すると担当者は「パートではじめていただきます。復職させてあげるんですからね」とこたえたそうです。くわしいやりとりはわかりませんが、「させてあげる」という言葉はAさんの胸にぐさりと突き刺さり、結局、現在は飲食店のパートについているとのことです。

キャッチコピー「買います」を「お売りください」に変え、ウェルカムのイメージづくりに成功したブックオフは「23歳の独身OLが仕事帰りの10時半にふらっと立ち寄ることができるお店」というコンセプトをコピー表現したのだそうです。

復職へのドアを叩きやすくするために、ウェルカムムードを潜在看護師のみなさんに積極的に伝える工夫が必要だと思います。

工夫の一つとして、「潜在看護師」の別称を考えるのもいいかもしれません。

たとえば、使われずに眠っているお宝なのだから埋蔵品をイメージして「埋蔵ナース」。でも、なかなか見つからないのが埋蔵品ですから、ちょっと違いますね。

ならば、ノーベル平和賞にちなんで、資格を使わないのはもったいないから「もったいナース」はどうでしょう。でも、ダジャレはいただけません。

映画「シェーン」の名場面の「シェーン、カムバック!」を参考に「ナース・シェーン」。古いですね。失礼いたしました。

とにかく、両手を広げて大歓迎します、どうか復帰してください、お願いします、というメッセージが潜在看護師のみなさんにもっと伝わるような何かが必要だと思うのです。関係者のみなさま、ご検討をよろしくお願いいたします。

イラスト

突撃! ナースの里帰り⑧

実家に帰省するとき、部屋着のようなものは持参しますか?持参せずに、実家に置いてあるものを着る人が少なくないのではないかしら。

私は、高校を卒業して看護学校に入ると同時に東京暮らしとなり、以来、約30年間、都内から茨城の実家に帰省を繰り返しました。いつも二泊程度ですから荷物はそれほど多くなかったのですが、電車で帰るため極力荷物を持たないようにしており、着替えは最低限のものだけでした。

私の場合、実家で過ごす服装はなんだっていいわけです。

しかし、実家の母は、毎回、スエットやパジャマの上下、ソックスやその上に履く毛糸でできたもこもこのカバー、Tシャツなどをスーパーで買ってきて待っていたのでした。それはどんどん増えて行き、たまってきたら、いくつか持たされて帰る、を繰り返しました。

その結果、我が家の長持ち二つには、それら、もたされたソックスやもこもこカバーやなどが詰まっています。

たぶん母は、スーパーで買い物をしているときに、ソックスやTシャツが目について、帰省する私のためにと「あら、あったかそうだわ」「あっ、これ、いい柄じゃない」などとつぶやきながら、買っておいてくれたわけです。ですから、これからも大事に長持ちにしまっておきたいと思っています。

「食べさせたい」のほかに「着せたい」というのも母心なのでしょうね。

このあとは、帰省のアンケートに答えてくれた最年長の方をイラストでご紹介したいと思います。

突撃! ナースの里帰り⑧イラスト


いかがでしたか? 来月号もお楽しみに!

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