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【連載】これだけできれば大丈夫! 病棟で必要な人工呼吸ケア

人工呼吸器が必要な患者さんとは? 装着の目的とリスク

解説 和田 希

湘南鎌倉総合病院  慢性呼吸器疾患看護認定看護師

S main  11  min

人工呼吸器装着患者さんをケアするためには、人工呼吸器をなぜ着けているのか、人工呼吸器とはどんな器械なのかを知っておかなければなりません。今回は、人工呼吸の基礎知識を解説します。


【目次】

※「循環への影響:心拍出量低下、血圧低下」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。


人工呼吸器を装着する目的

人工呼吸器とは、(1)必要な肺胞換気の維持、(2)酸素化の改善、(3)呼吸仕事量の軽減、(4)原疾患や炎症による障害の進展の悪循環を断ち、寛解するまでの時間をかせぐなど、主にこれら4つの目的のために、人工気道を介して酸素と空気をブレンドし、必要な酸素濃度を決められた量または圧力で、肺に気体を送り込む器械です。

従って、人工呼吸器を用いた人工呼吸療法は、呼吸不全を治療するわけではなく、あくまでも何らかの原因や増悪因子により生じた呼吸不全が治療により改善するまで、呼吸を補助することによって、適正な血液ガスを保持し生命を維持する手段です。

また、自然呼吸が胸腔内で陰圧になることで、胸郭が膨らんで空気(ガス)を引き込むのに対し、人工呼吸器の多くは直接ガスを器械的に肺に送り込んで陽圧換気を行います。吸気時はサポートのみで、呼気は自発呼吸と同様に肺胸郭の弾性によって行われます。

人工呼吸器装着のリスク

人工呼吸器装着下では、生理的な陰圧ではなく、強制的に陽圧換気を行っているため、循環器系に合併症をきたすリスクがあることを知っておきましょう。陽圧換気の具体的な影響としては、下記のようなことが考えられます。

1.気道―肺胞の障害:圧外傷

高い気道内圧を繰り返しかけていると、縦隔気腫や気胸、皮下気腫などを発生する恐れがある。

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