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【連載】看護師のための輸液講座

第12回 輸液・高カロリー輸液製剤の組成・投与量についての基本的知識と考え方

監修 日本コヴィディエン株式会社

シングルユース医療機器の製造及び販売、並びにこれらに関連する一切の事業

執筆 井上善文

医療法人川崎病院 外科 統括部長

S yu00 min

輸液を投与する主な目的は、水分補給、電解質補給と、そして、栄養投与です。水分投与速度や電解質の違いによる輸液の分類については既に説明しました。本当は電解質管理は非常に難しい内容なのですが、いわゆる静脈内へ電解質輸液を投与すればいいんだ、と単純に考えれば、それほど難しい内容ではないように思われます。

それは、ある意味、心臓や腎臓が正常に機能していれば、短期間の管理であれば、身体がうまく調節してくれるからです。異常な病態に対して電解質輸液を投与しているのに、それを身体がうまく調節してくれるという、逆説的なことになってしまいますけど。

もちろん心臓や腎臓に問題がある場合には、細かい電解質や水分量の調整が必要であることは言うまでもありません。でも、それは、少しばかりレベルが高すぎて専門的になってしまいますから、ま、専門家にまかせてしまおう、それでもいいと思います。

さて、今回は、栄養管理として、現在みなさんが使用している栄養輸液製剤の組成について勉強しましょう。カロリーやたんぱく質投与量などの計算についても解説させていただこうと思います。簡単な計算であるのですが、習ったことがない方が多いのです。これは、ナースだけの問題ではなく、実は、きちんとした計算を理解して実践できる医師も少ないのです。医師の場合は、知ってても計算しないんだ、と思っているかもしれませんが、本当は・・・。

炭水化物、脂肪、たんぱく質が発生する熱量は?

食事や経腸栄養剤、それから栄養輸液などのカロリー計算をするためには、その成分である、炭水化物(糖)、脂肪、たんぱく質が燃焼した場合(代謝された場合、という表現の方が学問的でしょうか)、何カロリーの熱量を発生するのかを知っておかなければなりません。

ご存じですか?これらの三大栄養素が1g燃焼すると、それぞれ何カロリーの熱量を発生するのか?実は、中学校の理科で習っているのです。ま、ダイエットをやっている方なら、誰でも知っているはずですよね。

問題

正解は、炭水化物が4kcal/g、脂肪が9kcal/g、たんぱく質が4kcal/gです。ちなみにアルコールは7kcal/gです。当然知ってます・・・ですか?ま、こう聞くと、そう答える方がほとんどだと思うのですが・・・。しかし、現実は、そうではないのですよね。私の持っているデータでは、4、9、4が3つとも正解であった方の割合は、栄養士さんでは91.1%、看護師さんでは25.5%、薬剤師さんでは62.5%、医師では46.6%でした。

三大栄養素の燃焼効率の理解度グラフ

このデータは、栄養士さん:512名、看護師さん:1456名、薬剤師さん:326名、医師:773名に対して調査させていただいた結果ですので、かなり信頼性は高いものだと思います。この程度なんですね、日本の医療関係者のレベルは。かなり寂しいデータだと思いませんか?ま、今、ここで理解して覚えていただけば何も問題はないので、ご心配なく。

高カロリー輸液製剤の組成の解析

最も基本的な高カロリー輸液のキット製剤として、ピーエヌツインRを例として考えてみましょう。

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