【連載】基礎からわかる精神科看護

【精神看護】第4回 せん妄患者の看護とは

監修 医療法人財団青溪会 駒木野病院

精神科専門病院

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せん妄患者の看護とは

せん妄の定義

 せん妄とは意識変容の一種です。軽度または中等度の意識混濁があり、幻覚や錯覚、激しい不安や恐怖感、興奮などの加わった状態です。

 せん妄にはその個別特徴から、
* 夜間せん妄(多少の意識混濁があり夜間の幻覚興奮を伴う状態)
* 振戦せん妄(アルコール離脱症状のような全身振戦、発熱、血圧上昇から、混乱、妄想、幻聴、幻視が出現するもの)
* 作業せん妄(その動作が自分の仕事に関係したもの)

 と名付けられています。

せん妄患者の看護のポイント

 せん妄は、症状性精神病、アルコール依存症の離脱症状、老年痴呆などに見られます。せん妄状態では多少の意識障害を伴っており、失見当識や混乱を起こす可能性があります。そのため、思わぬ怪我を負うことがあります。看護師はせん妄を起こした原因に留意し、患者の言動の観察、及び身体症状を含めた患者の安全への配慮が必要です。

看護師が行うべき観察のポイント

 患者の反応として考えられる以下について、十分な観察が必要です。

【失見当識:せん妄に関連した】

 1. 患者の言動、変化
 2. せん妄の原因
 3. せん妄時の状況
 4. 患者の安全な環境の有無

【混乱:せん妄に関連した】

 1. 患者の表情、言動、変化
 2. せん妄の原因
 3. せん妄時の状況
 4. 患者の安全な環境の有無

【身体症状:アルコール離脱症状に関連した】

 1. バイタルサイン
 2. 幻聴、妄想、幻視の有無
 3. せん妄時の状況
 4. 患者の安全な環境の有無

具体的なケア方法

 まず日頃の患者との接し方について看護師は以下のようなポイントに気を配る必要があります。

 1. 訪ねてきたことに対し、温かく返答する
 2. 安全な環境を整える
 3. 必要時、日常生活上の誘導を行う
 4. 必要に応じて現在の時間や場所を説明する
 5. 不明な点はいつでも看護職員に尋ねて良いことを説明する

 実際にせん妄の症状がみられる際の対処として、以下の接し方がポイントとなります。

 1. 時間や場所、状況などを説明し、安心感を与える
 2. 話の内容は的確に行い、混乱を増強させないようにする
 3. 落ちつける工夫を行う
 4. 混乱が強度の場合、安全を考慮し早めに適切な対処を行う
 5. 安全な環境を整える
 6. 病院は安全な場所であることを説明する
 7. 看護職員ができる限り力になることを説明する

 そして治療的処置を行う際の援助としては以下のポイントを心がけてください。

 1. 身体症状に合わせた苦痛の軽減に努める
 2. 治療的処置に対しての患者の安全を配慮する
 3. 妄想の否定など興奮を助長するような言動は避ける
 4. できる限り案性が保持できるよう援助する
 5. 異常の早期発見に努める
 6. 治療処置として行動制限、薬物療法としてのDIVなどを行っている場合、症状が軽減すれば必ず終了することを説明する

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